mont’s diary

非定期更新

ラリーと有人宇宙探査

はじめに

もともと僕の所属する某学科のAdvent Calendar用に書いていたのですが,ポエムの中でも特に意味のない類のポエムになってしまったのでお蔵入りになりました。しかし墓まで持っていくのも忍びないと思い,供養がてら公開します。

俗に言う有人宇宙探査ラリーとが非常に似ているとふと思ったのでその話を書きます。それ以上でもそれ以下でもないです。マジで単なるポエムです。思い付きで書いた文章なので身になる内容や大した主張などもありません。ご了承ください。

 

 

ラリープロジェクトについて

そもそも何でラリー?って思われるかもしれませんが,僕は昨年度,旧車をレストアしてラリー大会に出場させるという趣旨の学生プロジェクトに参加していまして,その繋がりです。このプロジェクトではラリーに参戦するための諸々の事前準備を全て行うわけですが,ラリー大会期間中に限っていえばラリーに参戦する車(以下競技車)をサポートする部隊として参加します。

 

 

類似点

類似点を書いていきます。

「人が乗った乗り物を目的地に届ける」という形式のミッション

これはまあ述べるまでもないですね。ラリーでは車が目的地に向かうというのがミッションで,一方の有人宇宙探査ではクルーを乗せた宇宙機を(主に地球以外の天体の)探査に向かわせるというのがミッションです。

乗り物に乗るクルーと,それを遠隔でサポートする部隊の存在

有人宇宙探査...宇宙空間を航行する宇宙機にクルーが乗っているのは定義上当然ですが,地上にもそれをサポートする地上局が存在し,プロジェクトマネージャやエンジニアなどが常に宇宙機の状態を監視して指示を行なっています。

ラリー...車を運転するドライバー・コドライバーだけでなく,それをサポートする部隊も存在します。しかもめちゃくちゃ重要です。クルーは基本的に車の運転に専念しているので,食事の調達・燃料補給・車の整備などは道中にサポート部隊が対処します。当然2つの部隊に分かれるので,事前に行動の打ち合わせをしつつ,ミッション中も可能な限り連絡を取り合う必要があります。

乗り物に要求される冗長性

ラリーでも有人宇宙探査でも,乗り物には高い冗長性が要求されます。

有人宇宙探査...宇宙機は一般的に非修理系に該当するため,一部のセンサやアクチュエータなどの中でも重要なものや壊れやすいものについては複数搭載したり,壊れても致命傷にならないようなバックアップを用意しておくことにかなりの心血を注ぎます。

ラリー...例えばスペアタイヤなどが代表例ですが,他にもその場で修理するための最低限の道具を積んでいく他,壊れやすい部品などは事前に調べておいてそのスペアを搭載しておく必要があります。

(サポート部隊による)クルーへの配慮

ラリーでも有人宇宙探査でも,クルーの健康状態や精神状態にはかなりの配慮をします。

有人宇宙探査...たとえ自動航行だとしても何か予期せぬトラブルが起きたときにクルーが対応する場面は少なからず存在するでしょうし,そういうときにクルーが万全の状態でなければ判断を誤ってミッション失敗なんてこともあり得ます。

ラリー...こちらはクルーが全て操縦するので,その人たちの健康状態・精神状態にはかなりの気を使う必要があります。宇宙探査におけるクルーに比べればそこまで行動範囲は制限されていませんが,それでも長時間競技によって食事を取る暇がほとんどなかったりするので,例えば食事を提供するにしても栄養面や食べきるのに要する時間なども考える必要が出てきます。

通信の重要性

おそらくどちらのミッションにおいても,通信というのはかなり重要な要素です。

有人宇宙探査...地上から宇宙機を視界に捉えることはできませんし,電磁波による通信で情報のやり取りを行う必要があります。

ラリー...サポートとクルーが常に一緒に行動するわけには当然いきませんから,車をサポートの視界に常に入れることができない以上,意思疎通の大部分は通信に委ねられます。ラリー一般がそうなのかは知りませんが,少なくとも僕が経験した範囲で一番大きかったトラブルは,サポート同士 or サポート-クルー間の通信が不安定だった点でした。

環境の過酷さ

「過酷さ」という曖昧な表現で濁していますが許してください。

有人宇宙探査...いうまでもなく過酷です。ロケットで打ち上げる時は相当な荷重と振動が加わります。宇宙に行けば,超高真空環境やら,3Kの極低温環境やら,銀河や太陽から飛んでくる宇宙線やらが宇宙機を襲います。やばいです。

ラリー...真空でも3Kでも放射線環境下でもないですが,大概のラリーは過酷っぽいです(適当)。そもそも数千キロにも及ぶ距離を短期間で走るとそれだけでオイル類がへたったりします。それに,悪路をガンガン走ったりして足回りを痛めたりタイヤがパンクしたりと,普段の走行ではなかなかお目にかかれないようなハプニングがわんさかおきます。普段のドライブなんて屁の河童レベルで過酷です。

 

 

まとめ

ラリー,考えれば考えるほど有人宇宙探査に似ているし,むしろ有人宇宙探査にこれほど似ているものって他にないんじゃないかという気すらしてます。なんかあったら教えてください。

マジで「だからなんだ」っていう内容でごめんなさい。他に書きたいこともなかったので書いてみました。

もし有人宇宙探査に興味があるという稀有な人がいたら,ラリープロジェクトは良い経験になると思います。ハードウェアやプロジェクトマネジメントの知識もかなり身につきますし。